アイルランド南(と少しだけ西)海岸

· 2023, Ierland, Scilly

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クルックヘイブンからダラスへ向かう途中
ブレアズ・コーブ

クルックヘイブンを出たあと数日はまずまずの天気が続く予報だったので、岬を回り込んで、西海岸で最初の「リア(溺れ谷の入り江)」にある、ダラス近くの「ブレアズ・コーブ」という湾に錨を下ろしました。ここでは、Marionと私がずっと昔に一度泊まったことのある高級ホテル兼レストランの写真を撮りました。ホテルを切り盛りしていた奥さんがドイツ人(なので何もかも清潔できちんとしていて、朝食は最高)、レストラン担当のご主人がベルギー人(なので料理が絶品)だったのを今でも覚えています。今回は、私たちがそのお二人の眺める景色の中で眠っていたわけです!

例のホテル兼レストラン

アーノルドが探検に出かけ、どこに「上陸」すれば村まで歩いて行けるかを見つけてくれました。どこを見ても実にのどかで、今回はランチに最高のハンバーガーをいただきました。店員さんとの会話が面白くて、実は高学歴なのに、家業のあらゆる仕事をこなさなければならず、ハンバーガーも売っているとのこと。本業はソフトウェア開発者だそうで、ついでに彼らのソフトウェア会社の説明まで聞かせてもらいました!

のどかなダラス

その後はボルチモアへ向けて帆走する時間です。途中、セーリングの世界で最も有名な「ウェイポイント」、ファストネット・ロック灯台のそばを通りました。今年はちょうど第50回ファストネット・レースの頃でした。

ファストネット・ロック

アメリカの大都市の名前の由来となったこの町は、クルックヘイブンやダラスと同じくらいちっぽけで、スーパーには「オフライセンス」(酒類の持ち帰り販売免許)がありませんでした。だからこんなにパブが多いんだろう、と私たちは考えました。大きな町でしかお酒が買えないから。パブが7000軒に対して、酒屋は3000軒。オランダならたぶん逆ですね。ボルチモアもクルックヘイブンと同じく(主にアイルランド人の)観光客でかなり賑わっていました。ここでも天気には恵まれ、毎日ひと雨くらいはあるものの、なかなか晴れていました。

キンセールへのアプローチ中に見えたチャールズ砦

次はキンセールに寄りました。アイリッシュ・クルージング・クラブのとても優秀なパイロットブックによれば、ここには大きなスーパーがあるとのこと。マリーナもあるのですが、Adelaが停まっていたので入れませんでした。全長55mの巨大なセーリングヨットで(link参照)、実に美しいのですが、ビジター桟橋を丸ごと占領してしまうわけです。幸いビジター用のブイが一つ空いていました。なにしろ風がかなり強かったので。

テンダーはこうやって着けるんです
パブで見覚えのあるマフラーを発見!

テンダーでまた上陸し、次のパブへ!翌日は「チャールズ砦」へ遠足です。継承戦争の後に建てられたこの砦は、オランダ軍によるチャタム襲撃、つまり私たちがイギリス艦隊をこてんぱんにやっつけた一件への、遅ればせながらの対抗策でした。そのチャタム襲撃自体も、イギリス軍が罪のない商船と住民を襲ったテルスヘリング島とフリーラント島への攻撃に対する報復だったのです。残念ながら、その後の第三次・第四次英蘭戦争ではオランダが負けてしまいました。イギリス人がこの話をあまりしなくなったのも無理はありません…

間近で見たチャールズ砦

アイルランドでもう一つ目につくのは、1920年代のイギリスに対する独立闘争がいたるところで取り上げられていることで、イギリス人は決して人気者ではありません。ブレグジット以降はなおさらです。それなのに、ほとんど何もかもがイギリス式なんですよね。そうする必要がなかった(あるいは今もない)ところまで。たとえば電気の規格。食べ物もイギリス式(ただし呼び名はアイリッシュ・ベーコン、紅茶、チップスなど)。そしてもちろん左側通行!

その間に、Marionとエラがコークに来ることになりました。コークは飛行機で来やすく、シリー諸島へ向かう足がかりにもぴったりです。係留場所の候補は、パイロットブックの写真ではぎゅうぎゅう詰めに見えた街の中心部の桟橋か、1720年創立の世界最古のヨットクラブ、ロイヤル・コーク・ヨットクラブのマリーナ。今でも「ロイヤル」(つまりイギリス式!)です。というわけで後者を選びました。悪くはなかったんです。サービス自体は申し分なかったのですが、バーはほぼ空っぽ、食事も特筆するほどではなく、村にはレストランが1軒とフィッシュ&チップス屋が1軒(店名は「Chish and Fips」)だけ。要するにマリーナは大したことがなく、クラブはそれ以下、しかも村は街からかなり遠い。結果的には選択ミスでした。あとでレンタカーで街の桟橋の前を通ったら、ほとんどガラガラだったんですから!

Marionとエラはマリーナ周辺の狭い道に少々ショックを受けた様子で到着し、私たちは二人を村へ連れ出しました。美味しいものを食べて飲んで、翌日からはさっさと車でコークの街へ。昔ながらの小さなお店や居心地のいいパブ、レストランがたくさんある素敵な街です。おすすめ!

コークで一番のパブ「Bierhaus」。オランダ、ドイツ、ベルギー、イギリス、アイルランドのビールが揃っています。

そしてまたしても、新しいクルーを乗せて急いで次の国へ帆走する時が来ました。小さな低気圧が通過し、朝はまだ風力8だったのが昼頃にはすっかり回復して、15〜20ノットの追い風を受けながら素晴らしい天気の中、シリー諸島まで気持ちよく走りました。とはいえ、うねりがまだ大きかったので、私も含めて全員ちょっと船酔い気味でした!

ブライアー島から見たグリーン・ベイ、トレスコ島(左)とセント・メアリーズ島(右)

今回は急いだ甲斐がありました。いまはブライアー島とトレスコ島の間にあるグリーン・ベイにいます。ここは相変わらず本当に美しく、ようやくMarionとエラにも見てもらえました。人口わずか80人ほどの、とびきり可愛らしいブライアー島を散策。島のあちこちでいろいろなものが売られていて、オネスティ・ボックス(無人販売箱)にカード決済端末まで付いています。美味しいファッジを買ったほか、ジャガイモや野菜なんかもこうして買えます。

ブライアー島のファッジ
ブライアー島から南東を望む

さて、ブログも追いついたので、これから急いでトレスコ島へ向かいます!

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